supino blog

やりきれないエンジニアの日常

恥ずかしがり屋な長男の登校

キッチンに立っている私に、長男がニッカと口を大きく開けた。前歯の横の歯が抜けていた。抜けた歯はベットで失くしたという。

長男は今年で小学1年生になった。学校へは決まった班で集団登校するのだが、最近まで集団登校ができなかった。本人曰く「恥ずかしい」らしい。

学校に慣れる事が優先と、無理強いせず毎朝送っていた。長男はしっかり手を握って、子供らしい他愛ない話を楽しそうに話してくれる。道すがら登校班の列が見えると、少し恥ずかしそうな笑みをうかべ、歩みを遅くしたりする。徒歩だと片道20分ほどの、この時間が少し楽しみになっていた。

梅雨に入る頃、同じ登校班の男の子が自転車に乗って遊ぶ姿を見るようになった。長男も自転車の練習をしていた頃だった。乗り慣れている男の子が、ふらつく長男の自転車と並行して漕いでくれた。2人は何を話す訳ではないが「また明日ね」と別れ際に挨拶を交わした。

次の日、少し不安と緊張した顔で集合場所に向かった長男の後ろ姿を見送った。初めて保育園に子供を預けた日と同じ寂しさを感じた。 学校から帰った長男は普段通りの様子で、その日から私と登校する事はなくなった。

すきっ歯になった長男の支度を急き立てながら、これも今だけかなと思った朝だった。