「鬼滅の映画を観に行きたい」と長女が言ってきた。彼女は重低音や大きな音が苦手で、長いこと映画館やディズニーランドにも行っていない。
アニメも漫画も読んでいたので、私も観たいと思っていた。娘は重低音で目眩がする。映画館に耐えられるのだろうか。
チャレンジしたいと子供が思うきっかけは突然くる様だ。親としてやる事は決まっている。人が少ない時間帯で廊下側の席を2つ予約した。駄目なら途中で出ればいい。
ヘッドホンも持参したが、やはり本編が始まる前に一度退出。気持ちを落ち着かせて再度席に着いた。今度は娘が私の膝の上に座り、娘の耳を私が塞ぐ。周りから見たらかなり変な親子だろう。だが娘は本編を最後まで観ることができた。
クスクス笑ったり、苦手なシーンは手で目を覆い、文字通りワクワクドキドキしながら観ていた。「映画といえばポップコーン」と楽しみしていた映画のお供も、後半は食べる余裕があった。
手は疲れ足は痺れていたが、娘の嬉しそうな顔は一生忘れないだろう。私にとって鬼滅は特別なアニメになった。