supino blog

やりきれないエンジニアの日常

湯けむりと冬空と、湯上がりの甘いひととき

12月に入っても暖かな日が続いていたが、今日はぐっと冷え込むという予報を聞き、川越市の「小江戸はつかり温泉」に行くことにした。寒さが強まると温泉が恋しくなるものだ。

土曜日だったが、昼時ということもあり、思いのほか空いていた。私が入ったのは「サラサラの湯」。いくつもの露天風呂が並んでいて、それぞれ違う趣向を凝らしているのが面白い。娘はそのすべてを試して、「洞窟の湯」を気に入っていた。石でできたかけ流しの椅子にちょこんと座り、小さな体でテレビ画面をじっと見つめている姿は、なんとも愛らしかった。

外は12度の冷たい空気。湯気が肌をかすめては消えていく中、私は41度の「あつ湯」に浸かった。お湯の温もりに包まれながら見上げると、雲ひとつない青空が広がっている。両手を伸ばし、冷たい風を感じながら深呼吸すると、なんとも言えない心地よさが広がる。その瞬間、日々の喧騒が遠く感じられた。

一方、男湯は「ざぶーんの湯」だったようで、湯上がりに長男が「ねえ、聞いて!」と興奮気味に話してくれた。天井に設置された大きな桶にお湯が溜まる様子をじっと見ていたらしく、豪快に「ざぶーん」と流れ落ちるその音や迫力が、楽しかったようだ。こういうダイナミックな演出は、子どもにとっては特別に映るのだろう。

温泉を満喫した後は、施設内で昼食をとった。お風呂上がりで体がぽかぽかと温かく、どんな料理も美味しく感じられる。子どもたちもお腹が空いていたらしく、メニューを見た瞬間に「これ!」と声をそろえて選んでいた。
締めはデザート。普段は甘いものをほとんど食べない娘が、「これにする!」と選んだのはソフトクリーム付きのチェロスだった。少し照れたように一口食べ、「おいしい!」と笑顔を見せた。息子はというと、予想通りチョコレートパフェ。アイスとコンフレークを混ぜながら、心底満足そうに食べ進めていた。

湯上がりの甘いひとときは、温泉の心地よさとはまた違った幸せを運んできてくれる。寒さが続くこれからの季節、こんな贅沢な日をまた楽しみたいと思った。