supino blog

やりきれないエンジニアの日常

動画サブスク時代のノスタルジア

幼少期の私の初恋は、水戸黄門の助さんだった。どの代の助さんに恋したのかは定かではないが、彼の凛々しい姿と安心感を与える存在は今でも心に残っている。

その頃、祖父母と一緒に見ていた「水戸黄門」は、いつもお決まりの展開が待っていた。悪事を働く悪人たちが成敗され、正義が勝つ。その安心感が幼い私には何よりも心地よかった。

小学生になった私は、新たな世界に目を向けるようになった。「木曜洋画劇場」や「午後のロードショー」では豪華アクション特集が放映され、「土曜ワイド劇場」や「火曜サスペンス劇場」では王道サスペンスが楽しめた。やはり、お約束のストーリーが好きだった。ヒーローが悪を倒し、謎が解決されるその瞬間がたまらなかった。

実家に衛星放送が導入されると、私の世界はさらに広がった。「カートゥーン ネットワーク」や「ミステリーチャンネル」で海外のコンテンツに触れることができるようになった。アニメからミステリードラマまで、多彩なジャンルに心を奪われた。

大学生になり、一人暮らしを始めた私は、近くの小さなレンタルビデオ屋に通うのが日課となった。そこで出会ったのは、B級ホラー映画だった。少し怪しげなジャケットと、期待を裏切る展開。

ビデオ屋で今夜見る作品を探す時間、チャンネル表をチェックする時、胸が踊るのを感じていた。「今日はどんな映画やドラマに出会えるのか」という期待感は、何にも代えがたい楽しみだった。

サブスクリプションサービスが普及した今、同じような期待感はなかなか味わえない。しかし、当時のコンテンツが手軽に見れることは嬉しい限りだ。最近は新しいものよりも、一度見た懐かしさからコンテンツを選ぶことが多い。どうやら私は今でも、勧善懲悪のお決まりのストーリーが好きなようだ。

昔のサスペンスドラマを見ていると、今では許されないであろうコンプライアンスの演出に驚かされる。そういえば、子供の頃にドキドキして、少し隠れて見ていた自分の姿が思い浮かんでくる。